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琉球古武術 本部御殿手「琉武館」 埼玉県朝霞市武道館

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本部御殿手(もとぶうどぅんでぃー)は、代々琉球王族・本部御殿に伝えられてきた武術です

風にうちなびく



風にうちなびく若竹のごとに
技やむちむちとかるくかわし

(読み方:かじにうちなびく わかだきのごとに
     わざやむちむちと かるくかわし)
(歌意:風に吹かれてゆれ動く若竹のごとく、
    相手の力に抵抗せず、逆らわず、しなやかに柔軟性を持って、
    武の技は無心にかけ、相手をかわしていきなさい。)

此れは、第十一代宗家本部朝勇先生が、第十二代宗家上原清吉先生に、
残された遺歌の一首です。

私にとって、一番心に響いた歌であると同時に、
私の一生続く本部御殿手の修行の、お題であります。

 本部朝勇先生は、上原先生の事を“若竹”と歌の中で称しているので、
上原先生へ向けた歌であり、其のままの解釈で、
私が歌を自分の武術家の思想として、
落とし込んで良いかどうかは判りません。
しかし、何首か残されている遺歌の中で、私はこの歌を選びました。

 初めて遺歌集を読んだ時に、
私が、初めて上原先生の姿を見て感じた感覚は、この歌はそのものだと。
そして、私も同じ所まで昇れるとは思っていませんが、
目標を高く掲げる事は、自分にとってプラスになると思っています。

  風に吹かれてゆれ動く若竹のごとく、
 相手の力に抵抗せず、逆らわず、しなやかに柔軟性を持って、
 武の技は無心にかけ、相手をかわしていきなさい。

 聞くだけ、読むだけ、書くだけでは簡単です。
其れを自分のものとするのは、簡単な事ではないと解っています。
しかし、私のスタイルとして、一生続く修行のお題として、
心に掲げて道場では稽古しています。

琉武館の門下生達は、
色々な思いで、稽古に汗を流していると思います。
其々に、其々の本部御殿手に対する思い、自分の武に対する思いがあると思います。
本部御殿手という、大きな基本となる思想/兵法の基で、
大樹の枝の様に、個人の良さを広げられるのが本部御殿手だと思います。

この他にも、上原先生に残された遺歌は多く残されています。
私はこの歌が心に響きましたが、同じく感じる人もいるでしょうし、
逆に、他の歌を選ぶ人もいるでしょう。
でも、其の選択の広さも琉武館の特徴であり良さです。
見学は何時でも大歓迎ですので、
是非、見学に入らして其れを感じ取って下さい。
by kobujutu | 2010-01-25 00:00 | 琉武館的日々雑感

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