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琉球古武術 本部御殿手「琉武館」 埼玉県朝霞市武道館

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本部御殿手(もとぶうどぅんでぃー)は、代々琉球王族・本部御殿に伝えられてきた武術です

稽古内容の柔軟性

演武大会も近いという事もあり、
5/9の稽古内容は琉武館の稽古目録に沿って行いました。

 そもそもの成り立ちとして、
一子相伝である御殿手は、稽古内容の教科書的な目録はありません。
しかし、時代は変わり故12代宗家上原先生が公開され、
多くの師範方々達が道場という物を持つ様になり、
稽古形態として一度に多人数で行う必要が発生し、
各師範が各道場で工夫され、其々の道場で道場の特色のある稽古内容が行われています。

 琉武館では、稽古進行者(若手黒帯)が、当日の内容を決め稽古進行します。
当日のメンバー構成、参加人数、道場行事迄の日数等、臨機応変で決めます。
ですので、基本稽古に重点を置く日、相対稽古に重点を置く日、型稽古に重点を置く日、
同じ内容で稽古を行う日が無いといっても、過言ではありません。
其れは、稽古目録に沿って行ってしまうと、稽古時間の13:00~15:00/15:00~17:00の、
前半戦の二時間を使い切ってしまいます。数年前は、そういう稽古を行っていました。
しかし、其れでは初級者の方々が此処の形等を覚えるのに弊害があり、
現在は、進行者の判断で、稽古内容を形式に拘らず柔軟に構成しています。

 しかし、上記の通り、5/9の稽古内容は目録に沿って進行。
演武大会が来月6/27に行われるので、
門下生一同に一通りの形の再確認を行ってもらう為、
また、毎年4月に行われている初級者教室をきっかけで入門なさった方々に、
琉武館稽古目録の稽古を体験して頂きたかったのと、
簡単で浅くですが、形(体術/武器)の形の紹介をしたかったからです。

 本来、初心者/初級者/中級者~と、
個人のレベルに合わせて個別稽古を行えば熟達は早いでしょう。
多くの武道の道場は、其れを基本としてクラス構成していて、
昇級審査にクラス構成としての重みがあり、帯の色が細かく設定されて、
本人の熟達度⇒稽古内容となっていると思います。
しかし、琉武館では個人のレベルに関係なく同じ稽古を行います。
同じ基本稽古、形の稽古を、各々のレベルに合わせて、
各々が自らの目指すべき姿に近づける様に行います。いや、行うべきであります。
其れが、琉武館の伝統であり、私達は其れに沿って稽古を行い現状があります。
“受身の稽古”心算で参加するのではなく、
“武術を修める”心算で稽古に参加しないといけません。
厳しい表現をするならば、上昇(上手くなる/強くなる)志向がないと、
ただ、日々が流れて行く年数だけ道場に通っていますという事になります。
しかし、求める人には師範を中心として、
其の手助けを行う形が出来上がっているのが琉武館です。
勿論、私も師範に教えを頂いている一人です、
そして、師範のレベルには程遠いですが、
求める人の手助けを行っている一人でもあります。
門下生達が互いに互いを支え合い、
お互いに切磋琢磨しているそんな所が、琉武館の良さであると思っています。

 来月の演武大会に向けて、稽古内容が変わってくると思います、
“演武”の稽古は、琉武館の稽古の通常とは異なります。
しかし、演武の稽古も新しい発見がありますし、
各個人に細かい指導が入ったりするチャンスでもあります。
私個人もそうですが、門下生の皆さん、演武大会という目的の稽古を、
技の上達の手段として活用して下さい。

投稿者;小
by kobujutu | 2010-05-10 10:15 | 琉武館的日々雑感

by kobujutu